「あたりまえ」を疑う社会学 第5章

要約

 識字とは、ただ文字を学ぶのではない。参加者一人一人の生活世界が量的、質的に広がっていく営みであり、自分という存在をを見つめなおす過程である。ゲイスタディーズについて、性的なマイノリティとされる人々が、いま、積極的に語り出し、自らの存在の”あたりまえさ”を主張している一方、彼らをからかい、差別し、自らの日常から締め出すことに躍起になっている。私たちは、彼らが「語りだす」多様な実践にきちんと向き合い、”彼らに怯え、排除する現実”を壊していく必要がある。また、自分史を書いたり、語り出す営みは、生活者のリテラシーと大きく関わりがある。語り出す力の”源”に向かって想像力をふくらませ、語った人、語りの背後にある現実を調べようとする営みこそ、語り出す力と向き合うセンスであり、実践の一端である。

 

感想

 最近、LGBTに関する話題が多く取り上げられてきており、まだ社会に受け入れられづらい現状がある。彼らをただ批判するのではなく、彼らが経験してきたことや、その現状等をしっかり調べた上で、彼らの意見をどう受けとめるかが大事である。語り出す力と向き合うセンスを育むことで、偏見や差別は激減するのではないだろうか。