経営戦略原論 第3章

要約

 経営戦略の正史が始まる以前に、すでに基本的な要素は出揃っており、黄金時代の終焉が、予実管理の前提となる戦略計画の重要性を高めた。また、当初の経営戦略の焦点は多角化による長期安定的な事業成長にあり、多角化の進展後、経済停滞による事業再編への要請が事業ポートフォリオ管理としての経営戦略を普及させた。しかし、事業ポートフォリオへのアンチテーゼの1つとして、その後、産業組織論を背景に経営戦略を検討する、マイケル・ポーターを代表格とする競争戦略が注目を浴びた。