経営戦略原論 第5章

要約

 資源ベース理論は、産業構造と技術の変化が加速した時代に登場した。資源ベース理論の探求は、1980年代前半にはすでに始まっており、一人の天才ではなく、無数の研究者の協業が生み出した。プラハラードとハメルが実務に、そしてバーニーが研究に資源ベース理論を伝播させた。その後、資源ベース理論は1990年代から2000年代にかけて着実に進化し、資源ベース理論の捉える「資源」は、次第に知識や能力へと拡張された。また、競争優位を生む資源はどうすれば手に入れられるのかについて、いまだ答えは出ていない。しかし、この知見を現代に活かすためには、より広い定義で「資源」を捉える必要がある。