経営戦略原論 第6章

要約

 外部環境分析と内部環境分析を土台として、競争優位の確立と維持のための手段を議論するのが、事業戦略立案の議論の骨格である。日本では、競争優位の確立を議論する際、イノベーション研究とマーケティング研究の知見が色濃く反映される。また、戦略フレームワークには得意・不得意があり、自社がおかれた事業環境、自社の内部環境の特性に基づき取捨選択する必要がある。戦略フレームワークを使いこなすには、「自分の方法論の骨格」を保持することが重要であり、新興の産業や事業領域における事業戦略の検討にあたっては、「理解」と「判断」のみならず、「行動」の側面が無視できない。行動の過程で一度決められた判断がどのように左右されるかは、事業戦略研究の古典的分野でありながら、一つのフロンティアでもある。